晴れときどきお天気雨 レビュー
晴れときどきお天気雨2011年発売予定!

ブランド ぱれっと
発売日 2011-11-25
原画 くすくす , 柚木ガオ(SD原画)
シナリオ NYAON
音楽 BURTON
歌手 WHITE-LIPS(主題歌「花束」)
声優 桜川未央(稲乃神 香奈恵) , 森谷実園(春日井 なずな) , 白雪碧(山上 絢音) , 星咲イリア(佐倉 水希) , 南綾香(山上 鈴音) , AYA(声優)(湊川 珠美) , 五行なずな(りん) , 潮海あくあ(ごん) , 優記(梶原 陽菜子) , 天之夢裸村(佐倉 誠一) , 村野住人(水流添 虎太郎)
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シナリオ:22/30
有り体に言えば、いつものNYAON氏のゲームというところでしょうか。
キャラクターが相変わらずこう、どこかイライラするような。そんな感じです。
体験版をプレイした段階では主人公は優柔不断さが見られなかったのですが、終盤に行くに連れてダメです。
それでもNYAON氏はこのスタイル、愛され系優柔不断主人公とでも言いましょうか。そのスタンスを変えるつもりがないようなので
きっと意図的な、成長を織り込んだ上での構図なのでしょうが、そういう点も相変わらず「いつもの」という感じがしました。

シナリオはなんだかんだでいいお話でした。尺も結構長めでした。ゲームシステムは…銀時計「こいとれ」みたいな感じでしょうか。
Aヒロインの個別途中まで→フラグが立つ→Aヒロインのルートへ
Aヒロインの個別途中まで→フラグが立たない→Bヒロインの個別途中まで(以下ループ)と言うような。
最近のゲームだと、オーガストの「穢翼のユースティア」で表現したほうが分かりやすいですね!w
物語をしっかり締めたいのであれば、香奈恵を最後にクリアしたほうがいいかもしれませんね。
香奈恵を最後にクリアしたので、「お天気雨の章」がルート制限されているものかどうかは、分かりません。
一応ルート構築が絢音→水希→なずな→香奈恵のように示唆されているように感じたので、その順に従いました。
あの流れで絢音を振るなんて僕には出来なかったんだ!!みたいなことを3回繰り返しただけですけどね!w
ただこのシステムの弊害として、ヒロインAが全力でモーションをかける。主人公に好きだと告白するような流れを作るわけです。
個別の途中まで。というか恋仲になるまでの導入が描かれるわけですから、当然ですね。
しかしここで意地の悪い選択肢が出てきて、ヒロインとくっつくか、フラグをへし折るかの選択肢が出ます。
ここで他のヒロインを攻略するためにはフラグをへし折る必要があります。
へし折ると、もうね。主人公が全力でダメになります。ものすごい適当な断り方ですし。
それを続けていくと、主人公の優柔普段さに拍車がかかるような気もします。もうすごいです。マダオです。
穢翼のユースティアはその分、主人公が優柔不断というか飄々としつつ信念を持ってる、色恋に然程興味を持たない。
というものに近いキャラクターであったからこそ、選択が選ばれ、断る場合も理由を提示することが出来ていたからこそ成り立つと思うのです。
裕也くんの場合、なんとなく。って感じですもんね。断る場合も。もうね……もうね……w

シナリオを通して、どことなくもしらばっぽさを感じました。踏襲してる部分が多いのかな、と。
いえ、システム周りとスタッフが基本的に同じという点、加えて過去キャラが登場しているというのもあるのですが…。

個別シナリオの話。
絢音シナリオは面白かったですし、絢音ちゃんまさかのエロ担当でびっくりでしたし
正直全然注目してなかった、モブと扱いがわたしのなかでそんなに変わらなかったヒロインなので、とんでもないダークホースでした。
このゲームを一言で集約するなら「絢音ちゃんかわいい」で説明がついてしまうぐらい絢音ちゃんが可愛かったです。
でもこのシナリオってなんというか、やっぱり根底にあるテーマは「成長」なのでしょうが、いきなり主人公が優柔不断キャラ全開になってきたのがびっくりしました。で
も絢音ちゃんが可愛いのでこの地点ではあんまり気にならず
シナリオを読み終えて、どことなくもしらばっぽさを感じましたね。
というのも、過去の流れを踏襲していると言うか、終盤の記憶喪失云々の話。もしらばのつかさルートに通じるものがありましたね。なんとなくですが…w
とにかくデレた絢音ちゃんが可愛いです。もうびっくりするぐらい。もしらばが明穂可愛いゲーなら、晴れ天は絢音可愛いゲーです!w

水希シナリオの話。わたしが一番嫌いなヒロイン。水希さん。なんというか、いかにもNYAONさんが書きました!みたいなヒロインですよね。
うまく言葉に出来ないのですが、なんでしょうか。そういう感じです。わかってくれ人だけわかってくれれば!w
水希さんはちょっと頭のネジがおかしいんじゃないかというぐらいに、アンチ洋風と言うか。鎖国的な人でした。
その理由が最後の最後まで語られず、語られても笑い話と言うか、なんというか。よく今までまっとうな学園生活送れましたね…?みたいな。
なんの説明もないよりは格段にマシでしたが、やっぱり好きじゃなかったです。このキャラ付けなければまだ不快指数低かったと思うのですが…w
知りあって間もない絢音が生徒会室でサンドイッチをお昼に持ってきた時。
同じく絢音がなずなのお見舞いにケーキを持ってきた時。
どれもこれも水希のためじゃない。なのにどうして水希がしゃしゃりでるのか。難癖つけるのか。あたまおかしいの?と思わざるを得なかったです。
何が気に食わなかったかというと、価値観を押し付けて強要してくるところ、それはもちろんなのですが、それだけではなく
その身内では許されるであろうローカルルールのようなものを、当たり前のように提示してくるところ。一番嫌いなタイプ。
そこが気に食わなかったので、今でもあんまり好きじゃないです。個別でデレてからは可愛かったですが…w
しかしまぁ、これもあれも全部シナリオ構築のための伏線であったわけでして、いえそれでもやっぱりもやもやしてしまうのですが。
シナリオの方も正直、主人公の優柔不断さが招いた自業自得ですよね…?って考えてしまって、うーん…w

なずなシナリオの話。正直一番期待してて、そして一番がっかりしたシナリオです。
何故がっかりしたか。いえ、なずなちゃんは可愛いんですが主人公が全部ぶち壊してる。そういう感じの。
ゲームそのもののシナリオとしては、妹ゲーのテンプレートというか。どこかで見たようなシナリオなのですが。
本当に主人公がどうしようもなく優柔不断で。それでいて軽率で。もう読むのも嫌になりそうなぐらいに辟易としました。
でもなずなちゃんが可愛いので頑張って読みました。100%本心にしか見えない水希の妬み激励を受けて歩き出す終盤の流れは良かったと思います。なんかこう、すごいAIRっぽかったんですが。テンプレだけどアリだと思います。

最後。香奈恵シナリオ。
シナリオは他のルートに比べても尺度が長いような気もして、面白かったと思います。
相変わらず主人公の優柔不断さには嫌気が差しますが、そこはもう諦めました!w
香奈恵は不遇キャラだと他のシナリオのゲームを読みながら思っていたのですが、とんでもない。結局は香奈恵以外のキャラクターがむしろ踏み台であったとすら言える優遇感です。
話自体もキレイにまとまってますし、(正直香奈恵が一人で暴走してただけ+主人公がヘタレすぎただけで起こった悲しい顛末なので、一番の被害者は裕未奈ちゃんだと思うのですが)賛否両論ありそうなエンドですが、わたしは好きでした。

結局通してみると、このゲームのメインヒロインはやっぱり香奈恵なんですよね。
シナリオの途中で異様なほどに絡んでくるなずなや水希などに比べ、どうしても存在感が希薄で不遇系ヒロインだとすら思えたのですが
実際は正妻の余裕、というやつだったのでしょうか。人気投票の結果が読めないなぁ、と思います。

そんなわけで、普通に面白くはあるのですが、NYAON氏の優柔不断主人公と、どこか頭のネジがすっ飛んでる系ヒロインが2人ほどいるこのゲーム、合う人からすればいいのですが、わたしはかなり合わない人なので、なかなかプレイするのが難儀でした。
もしらばプレイした時はそんなに主人公のダメさ加減が鼻につかなかったのですが、晴れ天はすごいです。もうすごい。
NYAONさんアクセル全開で書いてますって。そんな感じで。途中下車したかったです。すごく。
ダメさ加減ではさくらシュトラッセのみーくんに近いのかなぁ
それでも、まぁ一定以上のクオリティは保証されてますし、原画も音楽は素晴らしいし。ぶつくさいいながら次回作もこのラインは買ってしまうのだと思います…w
あと非常に他のヒロインのシナリオに別ヒロインが絡んできたりで、三角関係のような描写が多かったのも印象的です。
あんまり好きじゃなかったので、読んでてこんなの需要あるの…?って思ってました…w
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テキスト:6/10
可もなく不可もないテキストなのですが、ちょっと変換が鼻についたかな、という感じです。
そこって文章表現だと漢字を用いる場面じゃないような。という場面で感じ表現されているものが多く、ちょっと気になったり。
その程度なら特に減点対象でもないので、気になったから書いただけですが!w
なずなをはじめとして、ちょっと下ネタ系トークがくどかったかなぁ、というのも感じられました。もともと体感の長いゲームなので、なおさら…w
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ヒロイン・サブキャラクター:8/10
なずなちゃん天使!と思ってました。発売前まで。実際にフタを開けると…うーん、残念系妹の表現がしっくりくるキャラクターでした。
ただ残念なだけならわたしはむしろウェルカム。なのですが、流石にメインキャラでもないのに他のルートで絡めすぎたかな、と思います。
ちょっと鬱陶しいな、と思うことも多く。絢音シナリオでは明らかにシナリオを阻害するキャラクターとして登場。
ここまで組み込む必要はあったのかな……?と思ってしまうような、そんな感じの。
水希シナリオの場合はなずなシナリオと相互的にリンクしてる部分があるのでしょうがないとは思いますが……w
合わない人からすると、合わないような。合わない人からすると、星メモの千波とはまた違ったベクトルでのウザ妹系に部類するかもしれませんね。

ダークホースは絢音ちゃんでした。デレるとすごいです。1週目は絢音ちゃんシナリオに言った人も多いのではないでしょうか。
わたしはあのタイミングで絢音ちゃんを振ることなんて出来なかったので、1週目はなずなに決めてたのに気づけば絢音ちゃんを攻略してました。不思議です!w
デレたあとの絢音ちゃんも可愛いです。なんというか、うん。可愛いんですね。なずなちゃんと二人で楽しそうにしてるの見るだけでお腹いっぱいになれます。
特に最初は意識もしてなかったキャラクターなだけに、こう、なかなか破壊力があっていいキャラクターでした。

水希。前述した通りあんまり好きじゃないです。割愛

香奈恵。ビジュアルで損してる系キャラだと思います。
メインヒロインというには、あまりにも風格が足りない。というか、地味なんですよね。すごく。
胸が大きいキャラ。なるほど。既にキャラが被ってますね。
神様設定。なるほど。昨今で珍しくないですね。そして作中でもキャラが被ってます。
個別能力。ダメダメ。なるほど。扱いがぞんざいになりますね。どんどんサブキャラ扱いされてる気がします!w
というわけで。うーん。パッとしないキャラだったのですが(見た目のインパクトも薄いです)
実際は最後までシナリオを読んでみると、メインヒロインでしたね。風格は薄いですし、相変わらず地味な感じはするのですが
その地味さがいいというか、どことなく暖かな雰囲気がいいというか。シナリオを読み終えて、逆に地味さでキャラが立った気もします。

サブキャラ。虎太郎くんはいいキャラでした。ナイスポジション。もう少しシナリオに生徒会としての動きを組み込めばマンネリ化というか、中だるみを回避出来たような気もします。
陽菜子は別に虎太郎とくっつくルートあってもよかったんじゃない?と思えるようなポジションなのですが
なずな相手に失恋した場合だと、なんだかつけいるような感じがして心証悪いですし
なずな相手に失恋していない場合だと、やはり告白そのものが失敗しそうなので、今のポジションで安定なのかも…?w
珠美ちゃんは正直シナリオに関わりすぎじゃないかなーって思ったり。もしらばやってない人からするとどんな気持ちなんでしょう。
わたしはやってない前作とかのキャラが作中に出てくると、もやもやしてしまうタチなので、ここまで起用率が高いと
わたしと同じようなタイプの人だと、ちょっとアレな気持ちでプレイしてるのかなー…?w って思ったり
ちょこちょこですが、もしらばネタも仕込まれてたので、そのあたりも合わせて、どうだったんでしょう…w
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主人公:4/10
ここまで優柔不断でヘタレ主人公は久しぶりに見ました。体験版ぐらいまではやってくれる奴。という
評価を下していたわたしのバカバカ!と言ってしまうほどに残念!w
作中でもヘタレとか色々言われてますが、ホントです。本当にどうしようもないんです。
いえ、いつものことと言えばいつものことですが…w
なずなルートでは、こんなの相手に勝負で負けてしまった虎太郎くんが可哀想。とすら思えました。
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音楽・声優:/10
音楽に関してはBGMもハイクオリティで挿入歌も素晴らしい。非の付け所が無いですね。
声優も合ってたと思いますし。
BGMで良かったと思える曲は多すぎて挙げるのが面倒なのですが、強いて言えば「春一番東風」や「雲の切れ間から天使の梯子」や「朝焼けの空」ですね。
挿入歌(特にブーゲンビアが好きです)やOPの「花束」、EDの「ひまわり」のアコースティックな感じがすごく好きです。
完全版サントラが出れば買いますね。
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グラフィック:/20
くすくすさんの絵が見たくて買いました。と言っても過言ではないので全然文句がないです。
ただ奥行きが感じられるCGが少なく、どこか平坦なイメージを受けるものが多かった気がします。 ところでパッケージとタイトル画面で、どうして香奈恵さんはべっかんこう立ちをしているのでしょうか
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演出:/5
拍手。挿入歌のタイミングが最高でした。もしらばといい、ここには力入れてるんだなぁって思いました。さくらッセはあんまり覚えてませんが…w
立ち絵もそれなりに動きますし、あの選択肢の配置も演出と表現するのであれば、実にあざとい演出だったと思います。
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システム:/5
もしらばで残念だった既読スキップ判定もそこそこ早くなり、そもそも選択肢セーブを行えば既読スキップが不要という
もしらばのダメだった点を綺麗に補えていたと思います。
BGM鑑賞画面で再生リストなんかが表示されるのは面白いな、と思ったのですが
BGMを聞きながらCG鑑賞できないのがちょっと残念でした…w
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総評:総合:77/100
懸念すべきはNYAON氏の主人公を許容出来るか否か、です。許容できればいいゲームだと思います。絢音さまは天使かわいい。

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