はつゆきさくら レビュー

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ブランド SAGA PLANETS
発売日 2012-02-24
原画 ほんたにかなえ , とらのすけ , ちまろ , 有末つかさ(サブ) , 小桜りょう(サブ) , kaya8(サブ)
シナリオ 新島夕
音楽 I’ve(主題歌) , 水月陵(KIYO)(BGM) , fripSide(OP)
歌手 fripSide(OP曲 「HesitationSnow」)
KOTOKO(主題歌 「Presto」)
monet(その他)
声優 佐本二厘(小坂井 綾) , 杏子御津(東雲 希) , 涼屋スイ(シロクマ) , 桐谷華(あずま 夜) , 山羽みんと(玉樹 桜) , 星咲イリア(サクヤ) , 美月(声優)(宮棟 閑) , 如月葵(金崎 恵) , 七原ことみ(ラン) , 結衣菜(竹田 直子) , 田中美智(多田美智)(来栖 三木) , 小池竹蔵(室屋 透) , 西野みく(久保 完)
その他 新島夕(企画・原案・ディレクター) , ろど(ムービー) , Iris motion graphics(tsukune.)(ムービー)
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シナリオ:21/30
SAGA PLAMETSの送る四季シリーズらしいのですが、ナツユメナギサしかプレイしてなくてごめんなさいしないといけません。
初雪から桜まで、冬から春へ。卒業おめでとう。このゲームをプレイ中まだ就職先が決まらず卒業を迎えようとしていた私は精神的にかなりダメージを負っていたのですが、無事春に至れたのもまたこのゲームのおかげかも知れませんね。

さて、ゲームの話。実はわたしはナツユメナギサもそうですが、そこまでネットで言われているほど高評価をするつもりはないのです。
というか、過大評価だとすら思ってます。これに対する一つの回答として得られたのが、意図的な購入層のミスマッチを誘っているのではないかという説
つまり、萌えゲーの皮を被りつつ中身はちょっとインテリの入ったシリアス。軽く鬱タッチでかつ読後感をよさげに爽やかさも演出。
これがわたしがナツユメナギサで得た感想。なるほど。意図的に萌えゲーなんかを買う層に対してこの手の題材を投げかければ
当然拒絶反応も一部で出るのだけど、反面キャラもよくシナリオも良かったという検証バイアスで言えば「可愛い・シナリオがいい・声がいい」と、エロゲーに必要な要素をほぼ総ナメにスルことも出来るのです。
であるならば、その下地が完成している状態でキャラPRも念入りに行なったはつゆきさくらがコケるわけは……ないですね。

結論から言いましょう。はつゆきさくら、面白かったです。面白かったのですが、やはり私はネット上での評価は過大評価だと思います。
いえ、作品は卑下にしませんけどね。面白かったですし、好きですよ。でもやっぱり、名作には届かず準名作と呼ぶにも遠く良作と言うには出来がいい。
なんかこうそういう中途半端だけど評価がいいゲーム、みたいなポジションを僕の中で獲得しています。良作だけど名作と比べれば凡作みたいな。うーん、うまい言葉が見つかりませんが。

シナリオ単体で言えば、別にそこまで面白かったわけじゃないのです、このゲーム。
個別シナリオは正直中身があんまりないし(だいたい伏線張ってるだけなのもあるのですが)、短いし、キャラが可愛いことを十二分に見せてくれればそれで満足だし。というか僕もそれで満足してるのでいいのですが、シナリオという意味では薄いですよね。
体験版までがある意味一番「シナリオ」としては面白かったのかもしれませんね。
というわけで、シナリオ評価としてはあんまり書くことないです。パッ浮かんでこない。そもそもこれシナリオゲーに分類されるものじゃないですものね。
下記テキスト欄で別項しますが、このゲームで面白かったのはキャラの掛け合いとテキストのテンポの良さだと思うのです。
桜シナリオでうまいこと収束させた点は褒めたいです。終わり良ければ全て良しです。一貫したテーマ性というのも軸がブレずにまとめるという点では評価したいと思います。

でも個人的に綾END2はいらないと思います。蛇足ですよ、あれ。
綾END2は綾が身を呈してるのにバニッシュバニッシュうるさいのもかなりやる気を殺がれました。

あとシロクマ。結局シロクマって何だったんでしょうか。というか必要だったのでしょうか、シナリオに…。
グルシロ!ほっぽーりょーど!!って言ってるだけのキャラクターになってしまいました…。可愛いのですが。扱いがぞんざいすぎやしませんか。
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テキスト:9/10
このゲームが面白かったといえる根底になってるもの。テキスト力です。
とにかくテキストが面白かったです。ナツユメナギサでは全然そんな事感じなかったのに、テンポがいい、キャラとの掛け合いがいい。だいぶ笑わせてもらいました。
先を読み進めたいと思うような構成かはさておき、サクサク読めるところもポイントでしたね。(そのため、場面がコロコロ変わるところは残念ですが。)

反面ダメな部分も多かったのですが。戦闘が全部「バニッシュだ」で終わってしまうのはどうなんでしょう。
「赫炎のインガノック」というゲームがありました。このゲームも戦闘は総じて「けれど、けれど。鋼の彼は"人"ではない。」の一言で終わらせますが
ちゃんと魅せ方を考えたテキストなので、やれば出来るはずなんですけどね、と。ゴーストを用いた攻撃(脅し?)も「ばぁ。」とかだとなんだか…。
このゲームにバトル要素なんて求めてないのは分かるのですが、もうちょっとなんとかならなかったって。
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ヒロイン・サブキャラクター:9/10
ヒロインは個人的にあずまちゃんがダークホースでした。というか微塵も期待してなくて名前すらあんまり覚えてなかったのですが、おやおや可愛らしい、可愛らしいぞ!という感じで
いざ進めてみるとそういう意味ではヒットを飛ばしたキャラだったと思います。処女だもん!!!セックスなんかしたことないもん!!!ふぅ……。
のぞむんは期待通りアバズレ可愛かったです。杏子御津さんの声も個人的に最近ヒットなので素晴らしかったです。
綾はふーりんだから天使に決まってるだろって?まかのろんさ。
シロクマはグルシロかわいい。
桜はバニーのウザさがアレだったのですが、気づいたらいい感じに中毒性がありまして。調教されておりました。

こうして見ると各ヒロイン、象徴とも呼べる固有の名言というかネタというかそういうセリフを持っているのですね。ちゃんとキャラが立ってるいい証拠だと思います。
言われて考えるとあのキャラは○○と示せる記号のようなものってなかなかないものです。ツンデレとかメガネとかそういうのを除けば。
そういう意味ではキャラがしっかり立ってるのはこの手のゲームとしては長く愛されるためのポイントを抑えてて、しっかり作ってあるなと感じます。
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主人公:7/10
初雪くん。ツンデレでした。かわいい。全然春に至れないのが不憫。
ただ人は選ぶんでしょうね、この主人公。死ねとか平気で言っちゃうので。わたしは一向に構わんッ!なので問題なかったですのが。
なんだかんだで自分よりヒロインを助ける姿勢とかは見てて好感が持てる主人公でした。かわいい。
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音楽・声優:10/10
声優は文句ないですね。車の人あんまり好きじゃなかったのですが、慣れるとそうでもないですね。今では貴重なふーりん分でもあります。桐谷華さんも可愛らしい。最近の注目株です。
BGMのほうももなかなか。BGMは有名な人らしいのですが、あまり詳しくないので……。ななついろの人?ぐらいの知識です。
「春を愛する人」とか「送る言葉」なんかの透き通った感じが好きです。
曲の方も素晴らしく、「hesitation snow」と「Presto」「GHOST GRADUATION」が特に良かったと思います。
「GHOST GRADUATION」が初回特典のサントラに入っていないことが非常に残念ですね…w あー、だばだーもいいんじゃないですかね(棒
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グラフィック:18/20
キサラギに比べて抜群に良くなってますね。ほんたにちゃんの絵が特に素晴らしいですね。
塗りとも相性がいいのか、いい感じにつやつやしつつ丸っこい感じが好きです。圧倒的安定感。
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演出:3/5
うーん、ちょこちょこ雪が降る演出とか。特に桜グランド終盤での演出とかは良かったと思うのですが
修正パッチを当てても消えない誤字、バニッシュ連打なんかで相殺して特に印象に残ってませんね…。
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システム:3/5
特に問題はなかったものの、前述通り誤字脱字があるので修正パッチが必須でありながらも、修正パッチを当てても誤字はあるのが問題。
あやyとか気が抜けるし、テキストでは20年ってなってるのに音声では10年ってなってるシーンとか。粗が目立ちます。
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総評:総合:80/100
粗は多くあるものの、このゲーム面白かったですし、プレイしてよかったなとも思えるゲームでした。ずっと手元に置いとくと思います。
最後はこの言葉で締めくくりましょう。
「卒業、おめでとう」

はつゆきさくら 初回限定版
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