ましろ色シンフォニー *mutsu-no-hana レビュー

『ましろ色シンフォニー *mutsu-no-hana』応援中です!

ブランド COMFORT
発売日 2011-06-30
原画 和泉つばす , たまひよ(サブ) , 都桜和(SDキャラクター)
シナリオ おるごぅる , 保住圭 , ん。 , 北川晴
音楽 BURTON
歌手 橋本みゆき(新オープニングテーマ『夢見るままに恋をして』、オープニングテーマ『シンフォニック ラブ』)
ЯIRE(エンディングテーマ『キミイロミライ』)
美郷あき(挿入歌『さよなら君の声』)
声優 小野涼子(瀬名 愛理) , 田口宏子(小野宮 結月) , 後藤麻衣(瓜生 桜乃) , 吉田真弓(乾 紗凪) , 力丸乃りこ(天羽 みう) , 壱智村小真(アンジェリーナ・菜夏・シーウェル) , 結下みちる(結本ミチル)(天羽 結子) , 櫻井浩美(ぱんにゃ、瀬名 蘭華) , 谷育子(小野宮 セツ) , 藤田麻美(乾 理央) , 瑞沢渓(堀池円)(八塚 万智) , 鈴木達央(椋梨 隼太) , 田中愛子(その他) , 高橋あみか(その他) , 鴨ノ宮ゆう(その他) , 清水秀光(その他) , 古賀寛之(その他) , 吉野一平(その他) , 立石めぐみ(その他) , 五十嵐由佳(その他) , 青森裕(その他) , 飯田奈保美(その他) , 藤咲かおり(その他)
その他 近藤真樹(プロデューサー)
------------------------------------------------------------------------
シナリオ:19/30
PC版は既プレイの今作。ヒロインが二人新規追加されるとのことで、紗凪シナリオを執筆されているのも
かのおるごぅる氏であるとのことでしたので、これは買わない手はないと思い、購入しました。
が、買ったは買ったなのですが、6月と7月戦線がなかなか厳しく、結局2ヶ月積んでしまいました…w

シナリオの方ですが、典型的な萌えゲーであればシナリオというのはそこそこなものが用意されていれば良い
という風潮があったのですが、近年になってきてそれも徐々に崩れつつあり、レベルが向上してきているように見受けられます。逆に言えば、つくりが丁寧に。作品の水準がシナリオ以外の面で上がっていているので、評価が甘くなったという声も聞きますが…。
今作も然り、素晴らしいと諸手を挙げて褒められるようなレベルのシナリオではありませんが、最後まで楽しめました。
個人的に残念だったのが桜乃シナリオ。改めて読み直すと、この桜乃シナリオだけが他のシナリオに比べて明らかに劣っている面が多く、好きな気持ちを確認したあとのやり取りのくどさ、あまりにわざとらしすぎる主人公・桜乃・そして周りのメンバーの察しの悪さなど、意図的にシナリオの分量を引き伸ばしているように感じられました。
他のシナリオが良かっただけに、目立ってしまった、という点は否めないと思いますが……。あくまでシナリオの話で、桜乃ちゃんはすごく可愛いです。おにいちゃんのぱんつ。

逆に、良かったと思えるシナリオは紗凪シナリオになります。
紗凪シナリオはもう、とにかく紗凪が可愛いの一点張りですね。可愛い。すごい。あとびぃかっぷは貧乳じゃないぞ!w
特に愛理に自分がどれだけ瓜生くんを好きかって心境を打ち明けるシーンが好きです。可愛い。すごい!
このわたしの語彙の貧困さもすごいですね!
シナリオの中核でもあった、弟くんと共に紗凪が姉としても成長していく、という過程を描くために、ぱんにゃがちょっとひどい目にあったりもするのですが、流石というか。世界観の良さをここでも最認識しました。
本来であればあのシーンはもっと重い場面になるはずなんです。ぱんにゃを数日飲まず食わず。排泄も行えない。それってあと一日でも置いとくと死んじゃったかもしれないって状態ですよね。
にも関わらず、紗凪は怒ってましたけど、それ以外の面々が思ったより怒っていなかった、という点が世界観を維持するためのベストアンサーであったと私は思いました。
だってほら、ましろ色シンフォニーというゲームで。動物を虐待・監禁していて、それについて小さな子供を大人(学生ですが、子供の目線から見れば十分に大人)数人で弾劾するなんて。イメージに合わないにもほどがあるじゃないですか。
なので、みう先輩の優しさと。みんなの優しさと、ぱんにゃの優しさと、弟くんの更生。これで綺麗にまとめてて、すごいなぁ、と。プレイ後に感じました。あまりにも軽すぎやしないか?とプレイしながら思っていたのですが、むしろ重くする方がダメだったのかなぁ、と感じました。

アンジェシナリオはとても好きなのですが、あまり印象に残ってないです。
アンジェシナリオで瓜生くんがおばあさんを気遣うシーンがすごく好きでした。アンジェがきゅんきゅん来ちゃうのも頷けますね。
愛理シナリオはこれもまた好きなのですが、思いの外印象に残らないと言うか…。
クリスマスプレゼントとして署名名簿を渡すくだりは好きです。
ただ、シナリオの中身というより、まるで砂糖を煮詰めたような甘ったるいやり取りを楽しむシナリオだと思うので…w
あと自称節制生活はちょっと笑えます。いろいろ切り詰めてるように見えるけど、端々を見ると結構贅沢にしてますよね…w
みう先輩シナリオは、PC版のほうでも泣かされてしまいましたので、改めて読み直すと、やっぱりいい話ですね。
結子さまにおちょくられるみう先輩の一面もまた、ステキです。
エンディングもすごく好きで、PC版でも泣かされちゃったんですが、PSP版でもまた、泣かされてしまいました…w
しかし相変わらずのシステム改善が行われていなかったのが残念。この点に関しては後記します。

そして期待していた結月シナリオですが、実はちょっと残念でした。期待しすぎたかなって。
面白かったには面白かったのですが、どうでしょう。PC版ヒロインのほうが面白いような…?
結月が女の子っぽくなってく過程というのはやはりニヤニヤさせて貰ったのですが、そこは他ヒロインに同一属性が二人もいるので、インパクトの薄まりが否めず。せっかくの巨乳キャラなので、えっちしーんがないのがもったいない…w
------------------------------------------------------------------------
テキスト:8/10
特に面白かった、というものがあったわけではないのですが
各キャラクターとも個性が全然消えていなかったというか、それぞれの持ち味を生かしたようなテキストで
うまくキャラクターを引き出せてるなぁ、と思いながら読んでいました。
わかりやすく言うと、キャラが可愛くて悶えてました!w
------------------------------------------------------------------------
ヒロイン・サブキャラクター:9/10
まず、キャラクターが相変わらず可愛らしい。みんな活き活きしてて、それぞれの持ち味を殺さないように作ってあったなぁ、という印象を受けました。
例えばアンジェですね。最初はいきなり出てくるからびっくりしたりもするのですが、作中での主人公や各ヒロインの対応と同じように、だんだんアンジェのそれに「慣れてくる」ことで、無理なく、自然に。刷り込みというと言葉が悪い気がしますが、世界観に対応していくことで、アンジェというキャラクターの持ち味、立ち位置を磐石なものにしてたり。
あとはそうですね、紗凪も同じようなキャラクターだったかもしれません。私はPC版をプレイした段階では、紗凪というキャラクターはあまり好きではありませんでした。あまりに口が悪いので。ところが、これも考えなおしてみると、紗凪というキャラクターが、あの口の悪い、けど素直になれないだけで本当は優しいというキャラクターを持ち味として、立ち位置として確立しているのは、言わば周囲のメンバーがそれを容認、許容しているからなんですよね。そう考えると、世界観構成に必要なファクタの一つだったと見ることも出来ます。紗凪の毒舌は周囲に受け入れられている。本当はわかっている、といった信頼関係の上に成り立っていたら?
するとどうでしょう。みう先輩ルートでの紗凪がすごく可愛い娘に見えてきました。あんなにツンケンしてるのに。認めたくないけど友達になって。そして瓜生くんを好きになって。どうしてPSPなんでしょう。えっちしーんはまだですか!逆移植が待たれます。
初回プレイ時にこの点に気付くことが出来なかったのですが、おかげ様で今作では紗凪の可愛さを再確認して、見事にやられてしまいました。クズムシってなじられるのはご褒美ですね。ご褒美に違いないです。もっと!もっと!!

などと、長々となってしまいましたが、つまり世界観やキャラクターの持ち味を壊さないように配慮されてるなぁ、というか、このクセのあるキャラクターが合わさった世界観が不思議なほどに暖かく、それでいてバランスが取れてるなぁ、という印象を受けまして、私もこの作中の雰囲気が大好きでした。なのでヒロインに関しては一切の文句がありません。
サブキャラクターも特に不快になるキャラもおらず、椋梨くんはいい感じのキャッチャー兼ピッチャーポジションで
会話の雰囲気を構築したり、流れを変えたりと。瓜生くんほどではないにせよ、器用な立ち回りを見せたり。
なかなかいいキャラクターとして動いていたと思います。
また、キャスティングにも違和感はなく、素晴らしかったと思います。
------------------------------------------------------------------------
主人公:9/10
主人公の瓜生くんです。私はこの瓜生くんのスタンスに非常に共感を覚える面がありまして
彼は自分の周囲の「空気が淀むこと」を非常に嫌いますが、これは私にも言えることなんですよ。
自分が属しているグループ、会話してるメンバーとの関係が淀むことが非常に嫌いなので
彼のこのスタンスには、まるで自分を見ているようでびっくりしました。
私は彼ほど綺麗で欲のない人間ではありませんので、一つの「理想型」が彼なのかもしれません。
"自分のために"空気を清浄化するエゴイストであることを自虐するシーンがありますが、そこもまた好印象。
その点に関しては自分でもよく考えますし、それを考えなくなってしまったら本当に病的なものになりますし
そういう、どこか人間臭さが漂う点は良かったと思います。
作中でも振る舞いは流石でしたし、どこか完璧超人の節があったのですが、その超人ぶりを挫く(乗り越えますが…w)結月シナリオにおける「本気」の話で、また一ついい主人公になっていくのかなぁ、なんて思ったりもしつつ。
------------------------------------------------------------------------
音楽・声優:9/10
主題歌の「夢見るままに恋をして」は、最初聞いた時はなんとも微妙な曲だなぁ、と思っていました。
「シンフォニック・ラブ」のほうが全然いいなぁ、って。誤解でした。
何気なく車の中で聞いていると、あら不思議。気づけばヘビーローテーション…w
先日カラオケに行ってきたのですが、配信されていなかったのが非常に残念でした……。
BGMのほうは、軽快なものが多く。特に耳に残ったりするわけではないのですが、悪くなかったと思います。
学園内での日常のBGMが好きです。曲名は失念してしまいましたが…。
挿入歌である「さよなら君の声」は相変わらずいいタイミングで流してきて、ずるい曲だなぁって思いました……w
キャストに関しては、これでもかと鉄板キャストを起用しているので、文句のつけようがないですね!w
------------------------------------------------------------------------
グラフィック:18/20
和泉つばすさんのCGなので、塗りも好きですし、つばすさんの絵も好きですし、ここは諸手を挙げて満点つけてもいい項目だったのですが、特定キャラクターのジト目?テレ顔?どちらに部類されるか分かり兼ねますが、そこが非常に残念な出来だったのがマイナスポイントになりました。惜しいです。特に桜乃…w
------------------------------------------------------------------------
演出:3/5
前述してボロボロに言ってますが、みう先輩ルートでの演出はやはり良かったと思うのです。挿入歌はずるいです。
また、アンジェルートでのアンジェの視点からうりゅーくんを見たり。そういう。すごくよかったです。
作中にガヤキャラがテキストに合わせて騒ぐ時、メッセージには表示されない会話があるシステムはなかなか新しい気がしました。
これでもう少しバリエーションがあればなぁ、と思いましたね…w
------------------------------------------------------------------------
システム:4/5
まず残念だったのが、前述したみう先輩ルートでのシステム。
みう先輩のED曲が流れた後、後日談に入るのですが、そこでぱんにゃの心理イベントが入ります。
が、ここのテキスト表示がオートなので、ボタンを押してしまうとスキップされてしまいます。
既読だろうと、未読だろうと関係ありません。PC版でもこのシステムに不満をこぼしていた人は多いと思います。
PSP版でも改善されておらず、やはり飛ばしてしまいました。またロードしなおせば良いのですが、何か余韻が醒めると言うか。特に私は今回PC版をプレイしているので、内容がわかっていただけに。残念でした。
それ以外は特に目立った不満もなかったかなぁ、と思います。
------------------------------------------------------------------------
総評:総合:79/100
相変わらずすごく面白かったので(わたし基本的に移植版は買わないのですが)逆移植版やFDが出てくれればまた買うと思います!w
ましろ色シンフォニー *mutsu-no-hana (初回限定「ビッグタオル」同梱)
ましろ色シンフォニー *mutsu-no-hana (初回限定「ビッグタオル」同梱)


大人のおもちゃ
inserted by FC2 system