「のーぶる☆わーくす」 レビュー
のーぶる☆わーくす
のーぶる☆わーくす
ブランド:ゆずソフト 発売日:2010/12/24
シナリオライター:J・さいろー , 北川晴 , 天宮りつ 原画:こぶいち , むりりん , こもわた遙華(サブ)


シナリオ:19点 テキスト:7点 キャラ:9点 主人公:7点
音楽:8点 グラフィック:18点 演出:5点 システム:5点

総合:78点
一言レビュー「王道だけど丁売れる理由はユーザーにストレスを与えない設計だと思います。」

------------------------------------------------------------------------
シナリオ:19/30

お嬢様と一緒に暮らすだけの簡単なお仕事です(未経験者可)

まずこのゲームをプレイするにあたって思っていたことは、過大評価だという点
近年の風潮を見ていても、小奇麗にまとめてキャラ萌えが堪能できるゲームは高評価につながりやすいというものがありますね。
その典型だと思っていたのですが、その点はやはりその通りだと思いました。
ただ、このゲームのうまい点というか、近年の風潮に当てはまる萌えゲーの共通点として言えるのが
キャラとイチャラブすることを十分に共通で盛り込み、キャラの立ち位置とギャップなどを織り交ぜた綺麗なイメージ定着を図っているという点です。
カミカゼ☆エクスプローラーなんかがその点はすごくうまかったと思います。

のーぶる☆わーくすもそれに漏れず、共通はドタバタしつつ世界観であるお嬢様学校のイメージも持ちつつ
キャラとの掛け合いも綺麗に盛り込み、どのキャラクターがどういうステータスを持ったキャラクターなのかという点をユーザーに植えつけつつ
かつテキストがそれなりに面白い。僕の知ってるゆずソフトがこんなに面白いはずがない。バグだ!(失礼)とか思ってました。

逆に言いましょう。このゲームで一番面白かった点は間違い無く共通ルートです。僕の場合。なので、個別に入るにつれて失速しました。
イチャラブ。結構です。ただ僕みたいなゲーマーからすると甘すぎて長すぎて中だるみしてくどいとすら感じました。
特にひなたルートなんてあまりの酷さに投げ出しそうになりました。僕は共通段階でひなたが一番好きだったので、どういうことだってばよ!?って感じで。
担当は北川晴さんだとか。ましフォニの桜乃ルートみたいな誰も求めてない安いシリアスと長い引き伸ばしに辟易していました。
桜乃もひなたも好きなんですが。うーん。

ともあれシナリオで語ることなどない萌えゲーなので何を書いていいかわかりませんが、せっかくなので設定に触れます。
主人公の影武者設定。全然活きてなかった気がします。
それなりにトリックでもなんでも入れれそうなものですが、誰も期待してなかったのもあるのでしょうけど、特に何もなかったような。
セレブであるお嬢様たちと本来であれば一生接点がないだろう一般人の主人公が突然お嬢様と同じ学校に!?
みたいな。そういう切り込みをしたくてこんな設定をつけたのかな、と思います。
僕みたいなキャラとイチャイチャすることよりせっかくその立ち位置なんだから何かイベントが起こるなりすればいいのにって思っちゃう
そんなユーザーにはこのメーカーは合わなかったのかもしれませんね。

でも萌えゲーとしては褒められます。シナリオという点ではなんとも言えないのですが
一応はそれなりにシリアスなりでシナリオに緩急をつけているような気がしましたし、キャラが可愛ければシナリオは塩の一振り程度の味付けでいい
そんなユーザーが多いと思います。実際売れてるし。
そんなわけで、可もなく不可もないのですが、演出とキャラ萌えで綺麗に作ってるゲームだと思います。

------------------------------------------------------------------------
テキスト:7/10

共通はあんなに面白かったのに個別は普通でしたね。
でも僕のゆずソフトの評価としては、それがすごい。
普通に読める。僕はその点がすごいと思いますよ。ゆずソフトのゲームをほとんど途中で投げ出す僕が最後まで読めた。
その点はすごいと思います。共通はライター全員が分担して書いてるとか聞きましたが、どうなんでしょうか。
J・さいろー先生だけ明らかにテキストがぶっ飛んでてステキでした。

------------------------------------------------------------------------
ヒロイン・サブキャラクター:9/10

さすがキャラ萌えゲーなので、すごい。強いて言えばテンプレキャラが多すぎることが残念でした。
僕は最初、キャラ的にも瀬奈がJ・さいろー先生の担当だと思っていたのですが、別にそんなことなかったですね!この淫乱メイドめ!(褒めてる)
どのキャラもちゃんとキャラが立ってるし、嫌いなキャラはいなかったです。ここは萌えゲーとして重要ですね。
不快なキャラが居るだけで一気にテキスト読む気力が失せますし。

個人的に推したいのは麻夜ちゃん。天使かわいい。麻夜ちゃんだけはテキストが面白くないとかそんなこと一切考えずに
ブヒブヒと萌え豚モードで読んでいた気がします。なるほど。僕はあまりこういう萌えで盲目にならないタイプのゲーマーなので
どうしてもテキストを読んでいると中だるみを感じたりしてしまうのですが(集中力がないとも言う)
麻夜ちゃんに関しては完璧にやられました。ゆずソフトのキャラクターは化け物か!?と言ったとことでしょうか。
かわいい。ギャップ萌え。どちらかといえば可愛いより美人という感じの娘なのに、照れたらすごくかわいい。どうしましょうこの娘。
方言演技もすごく自然で、聞いてて違和感を感じませんでした。そんな方言の地方に住んでるわけじゃないんですが…w

その他キャラクターも可愛いには可愛いのですが、それ以外の感情は特に覚えませんでしたね。静流を除いて。
静流。しーちゃん先輩。別格でした。突如現れる「しーちゃん」と「たーしゃま」の呼び合い。
相変わらずエロになると最高に頭の悪いことになる(最大級の賛辞)J・さいろー先生は流石だと思います。
正直なところ、買った理由はさいろーさんがシナリオ参加してるから、でしたかね。
どうやってゆずソフトみたいな作風でさいろー先生を組み込むんだと思っていたのですが、割と何とかなってた気もします。
全体的にイチャラブ度が増すことに加え、エロも濃くなってるような。そういうふうな方向を目指すのであればさいろー先生の起用は正解だったかもしれません。
僕もしーちゃん先輩の奴隷になりたい。

残念だった点は、やはり真琴が攻略できなかったことです。
メインヒロインとか一部を除きそっちのけに出来るほどのクオリティをもったサブキャラクターだったと思います。
青空の見える丘で言うところのミコトですね。あちらは別作品で攻略可になりましたが、ゆずソフトはFDを作っていないので、絶望的でしょうか。
蛍先生とかすっごいおまけだったし別になくてもよかったよねって扱いのEDだったので、どうせなら真琴に振り分けて欲しかったな、と思います。
すごくいいキャラだったと思うんですね。サブキャラだから光ったという点もあるかもしれませんが。

------------------------------------------------------------------------
主人公:7/10

この主人公ほんとうに便利ですね。主にライター的な意味で。
話の展開に困ったら「○○のバイトをしていた経験が」の一言で全てに精通させることが出来ます。アホか!
僕みたいに仕事のできないクズからすると、そんな日雇いバイトとかで培った経験を覚えてるわけないし、生兵法は怪我の元といいまして
本来であればこんなにあっさりとあれこれ対応できるわけないのですが、そこは流石エロゲ主人公でした。
朝は起きれる。夜は寝れる。仕事は一回で出来るようになる。起用。つぶしが利く。イケメン。どうしよう勝ち組だー!!!
そんなわけで。エロゲ主人公としても非常に高いスペックを兼ね備えていたと思います。
特に何をした、というわけではないのですが、何気にヒロインに対して気配りを振れる主人公だったので、読んでて不快には思いませんでした。
突き抜けた何かがあるわけでもないのですが、感情移入させやすいためにある程度の空気さを出したのでしょうか。
キャラ萌えゲーの主人公としては正解だと思います。
また、学園で芽生えた友情に対して、自分が背信を抱えていることに悩んでいた点はすごく好感を覚えました。

------------------------------------------------------------------------
声優・音楽:8/30



OPが榊原ゆいさんなのにこのゲーム高いですよね(失礼)
OPはすごくぐるぐる。はつゆきさくらのPrestoと同じようなクレイアニメっぽい演出が面白いですね。
はつゆきさくらのほうがゆずソフトが制作協力しているので、こちらが源流ですね。
ただよく思うのですが、お金のあるメーカーほどOPにアニメを入れたがりますよね。いいんですけど、動くゲーム、動いて欲しいゲームであればそれはいいのです。
ただゆずソフトぐらい原画が安定してるメーカーだと、どうしてもアニメの出来を原画と比較して、大半が微妙だと思うのではないでしょうか。
なので、アニメは盛り込まないほうがいいんじゃないかなぁ、と思ったりもしました。僕は微妙だなぁと感じて。曲は良かったと思います。

------------------------------------------------------------------------
グラフィック:18/30

すごかったです。安定してます。僕ぐらいの素人だとどっちがむりりんさんでどっちがこぶいちさんとか全くわかりません。まさにむりりん
特に立ち絵がすごい。一枚絵より立ち絵のほうがレベルが高いと思ったCGのほうが多くて。
こもわた遥華さんのSDはこいとれ以来でしたが、安定しててかわいらしいですね。
最初は合ってないんじゃないかなぁ、と思ったのですが、絶妙なタイミングで配置してくるので素晴らしい。
ただ僕はこのむりこぶタッグの、エロの表情が少し苦手かなって思います。好みですね。

------------------------------------------------------------------------
演出:5/5

拍手。このゲームは演出ゲーですね。
特に光ったと思う演出が立ち絵です。また立ち絵の話かよと思うかもしれませんが、立ち絵本当にスゴイ。
1ワード中に立ち絵が何度も変わるんです。話の内容や素振りが変わる時に人の表情が変わるように。くるくると。
例えばひなたで考えると
「そうだよ!もう、先輩はボクのこと全然わかってないんですね…ぐすん。」
こんなセリフがあったとして、このセリフだけで多分3回ぐらい立ち絵が変わります。すごい。タイミング合わせるのとか相当大変だっただろうし、すごい。
立ち絵というか、立ち絵もそうだけど表情変化もすごくて。パターンすごそう。
上記で上げたSD絵に関してもいいタイミングで配置してきますし、すごいの一言。
スクリプターはシナリオライターの天宮みつさんらしいので、違和感を覚えないわけです。

------------------------------------------------------------------------
システム:5/5

ワイド対応。高速で「前の選択肢に戻る」を装備しつつの選択肢で連打できる親切設計。
ウィンドウの透過率設定もでき、各種ショートカットもある(使いませんでしたが) ユーザーに不快感を感じさせずに煩わしさを感じさせない設計だったと思います。

------------------------------------------------------------------------
総合:78/100

すごく丁寧に作った萌ゲーという評価の域は出ませんが、本当に丁寧に作っていて、誰にでも勧められるというゲームという点でいえばすごい。
突き抜けて面白いわけじゃないですが、少なくともつまらない、という評価はシナリオスキー以外では得られないのではないでしょうか。
シナリオ的に面白いというわけではありませんが、そつなく無難でかつ完成度の高いという、キャラが抜群に可愛いゲームでした。あとエロい。

ゆずソフト最新作『のーぶる☆わーくす』今冬発売予定

HOMEへ戻る


大人のおもちゃ
inserted by FC2 system